※体調回復に向かうにつれ
写真を撮る余裕が出てきましたゆえ
今回はビジュアル感に溢れております
病棟の朝は早い。
おはようございます
朝6時です
いつもなら寝る頃合いに強制的に起床
からの即採血の日々でございます
雪化粧の藻岩山
美しい札幌の街並み
を眺めている場所は
何処かの高層ビルの展望室じゃなくて
NTT札幌病院9階病棟のデイルームの窓から
デイルーム
それは
病棟で唯一スマホで電話をかけてもいいところ
デイルーム
それは
自動販売機があるところ
デイルーム
それは
いつ行っても同じ椅子に同じ爺さんが座っているところ
要は入院患者たちの共用部ですね
シェアハウスでいうところのリビングですね
ここのリビングにいる人たちは
みんな同じ服(病院貸出しのパジャマ)着てますよ
NTT札幌病院公式ユニフォームみたいなもんです
さて
NTT札幌病院に転院してから
ちょっと前まで怒涛の快進撃をみせていた
カイヨーズの勢いは徐々に落ち着きをみせはじめ
ようやくおじさんは平穏な時間を過ごしております
ただ胃が痛くないだけで
ただ水飲んでも出ちゃわないだけで
フツーに歩けたり
フツーに話せたり
フツーに考え事を出来たり
そんな何でもないようなことが幸せだったと思う高橋ジョージ的な心境でございます
たかがハイチュウ、
されどハイチュウ
相変わらず腕には点滴の針が刺さったまま
黄色い液体がぼくのガソリン
3日間、水と飴玉しか口にしてないけど
不思議とお腹減らないんだよね
点滴で人は生きていける
生命維持のためにはそれでもいけるってわけで
ふと思う
食べるってなんだろう
食べるという行為への欲求なのか
美味しいものを食べたいという欲望を満たす行為に過ぎないのか
それとも単に習慣なのか
黄色い液体のみで問題なく生きているぼく
食べなくても生きているおじさん
ふと思う
食べるってなんだろう…
知るかっ
やっぱり食べたいんじゃい!
お腹いっぱい食べたいんじゃ!
もうぼくたべられないよぉ
ってなるまで食べたいんだよぉ
ラーメン炒飯カレー寿司焼肉唐揚げ蕎麦刺身お鍋麻婆豆腐餃子牛丼パスタポテトチップスホヤの塩辛キムチ納豆食べたいんじゃ
飴玉はなめてもいいよって許可もらったので
2階にあるコンビニに買いにいったんだけど
ハイチュウは飴玉の分類に入るのか真剣に悩んだ
ソフトキャンディは飴玉なのか
なめるというより噛むしなぁ
いやまてよ
飴玉も最終的には噛み砕くからハイチュウも認められるのではないか?
しかしハイチュウは最初から噛んでしまうから飴玉ではないのではないか
うーん。。。
人生においてこんなにもハイチュウについて考えることになる日がやって来るとは思いもしなかったぜ
結論
ハイチュウは飴玉とは認めません
ドストエフスキー代表作
『◯◯と罰』
日課その1
2階のコンビニに出かけた際は
9階の我が家まで階段をのぼって帰る
仕事復帰したときに足腰ふにゃふにゃだったら働かないよねーってぼく真面目
電動リクライニングベッドの頭の方を高くするとき
ベッドが動くより先に上体を起こすという
ささやかな腹筋運動も心がけたぼく真面目
日課その2
クロスワードパズルと数独
今や雑誌を買わなくてもアプリで出来てしまう便利な世の中になりましたもんですよまったく
それにしても何故入院生活の定番娯楽ってクロスワードパズルや数独なんでしょう
なんの疑いもなく
クロスワードやりてぇ
数独やりてぇ
って思っちゃうのは
もはや遺伝子ですり込まれてるんじゃないかってほどである
お見舞い品の定番もそのあたりの雑誌ですよね
クロスワードと数独の魔力おそるべし
おかげさまで数独のレベルが初級から中級に上がりました
ちょっとだけ賢くなっちゃった
I can eat.(私は食べられる)
ついにこの日がこの瞬間がやってきた
点滴と
腕に刺さりっぱなしの針と
お別れする時がきた
それはつまり
食べることが出来ることを意味するるる!!
ああ神よ
ああ仏様よ
ああおれの胃よ食道よ十二指腸よ
ああ胃薬よ痛み止めよ
ああNTT病院の皆様よ
心より深く深く感謝いたします
昨日まで哲学的に食べるとはなんぞやと思いふけていた自分にさようなら
バカじゃないの?昨日のおれ
食べたいに決まってんじゃんね
はいっ!待ちに待ったご飯登場!
記念すべき1食目の写真を撮り忘れる失態を犯しましたが
まずは五分粥からのスタート!
YES!炭水化物!
そして
これも五分粥
すまし汁みたいな味噌汁
煮たナスにそぼろ餡の優し過ぎる味のやつ
謎の煮魚
この何の白身魚かわからないものを口に入れた瞬間
ぼくの全身に衝撃が駆け巡りました
…うまい
うまい
うまい…
もしかしたら生涯で最も感動した料理かもしれない
何の魚か結局わからないままですが
ぼくはこんなに美味い煮魚をしらない
あ、そーか、そうかもしれない
人間は炭水化物よりもタンパク質を欲するよね
タンパク質はゼッタイに必要な栄養素
ぼくのキモチが欲していたのは炭水化物
でもカラダが欲していたのはタンパク質
点滴生活を経て悟りました
タンパク質は最強である、と
これは五分粥かな?七分粥かな?
相変わらずのすまし汁な味噌汁
野菜の優し過ぎる味の煮物
鶏団子のこれまた優し過ぎる味の煮物
七分粥になんと!梅干しのってるぜ!フー
ちょっと濃くなった味噌汁になんと!麩が入ってるぜ!フー
さっきの野菜の煮物とほぼ同じやつだぜ!
さっきの鶏団子煮物とほぼ同じやつにマカロニみたいなやつ入ってるぜ!
注目!
出た!肉っぽいやつ!
コマ切れだけどまさしく豚肉がやってきた!
脂質もタンパク質と同じくらいにカラダが歓喜するたべものです
タンパク質=馬場
脂質=猪木
とぼくは定義付けます
そしてついにヤツがきた
お粥じゃないよ白米だよっっっ
タンパク質と脂質があれば炭水化物はもう要らないと感じ始めていたぼくですが
やっぱり炭水化物もラブだよね
とあっさり出戻りをキメこみました
「ごめん、おれが間違っていたよ
やっぱりおれには君が必要なんだ
よりを戻してくれるかい?」
「バカな人ね…あなたがワタシから離れられるわけないじゃない」
「…ああ、すまん」
「…ねぇ、愛してるって言って」
「…愛してるよ」
都合のいいように炭水化物を扱ってしまいましたことを深く反省いたします
正直すまんかった!炭水化物!
(佐々木健介風に読んでください)
煙たいおじさん、
札幌の街へと帰還
こうして
順調に回復し
カイヨーズとの1週間にわたる闘いを制することができまして
無事退院となりました
12月3日日曜日の朝のことです
精算金額に肩を落としつつ
NTT病院をあとにしました
札幌の街は入院する前よりちょっぴり冷え込んでいるようでした
もしかしたら久しぶりに外気にあたったせいでそう感じただけなのかもしれません
普通に生活できることって幸せなことですね
当たり前なことが決して当たり前ではないことに改めて気付きました
健康第一
来年40歳をむかえるおじさんの抱負です
当たり前なことを当たり前にし続けることができるように
よし、タバコ吸いに行こう!!
(完)